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12月14日8時2分配信 サンケイスポーツ クラブW杯準決勝(13日、横浜国際総合競技場)浦和に、日本サッカーに光は見えた! Jクラブとして初めて国際サッカー連盟(FIFA)の公式試合で欧州王者と対戦した浦和は、ACミラン(イタリア)に0-1で敗戦。後半23分にMFクラレンス・セードルフ(31)にゴールを奪われるなど実力差は随所に見せつけられたものの、大番狂わせもありえた奮闘。決勝進出を逃した浦和は16日の3位決定戦(横浜国)で、アフリカ王者エトワール・サヘル(チュニジア)と対戦する。 どんな曇り空でも、その先に必ず星はある。この夜、曇天の横浜のスタンドを埋めた6万7005観衆と、テレビの向こうの人々は、日本サッカーの未来に光があることを、確かに感じ取った。 「やっぱり強い。けれど負けは負け。悔しい」 日本代表MF阿部が、唇をかんだ。だが、その表情が日本の成長を示す。欧州王者と、Jクラブとして初めてFIFAの公式大会で対戦。試合自体が歴史的だが、その相手を本当に真剣にさせた。DF闘莉王やMF細貝が食らいついたガチンコのぶつかり合いに、年俸総額68億円、世界最強のミラン選手たちが、顔を何度も紅潮させて激怒。結果も0-1。流れ次第ではもしや…の希望を抱かせた。 ボール支配率はミラン61%、浦和39%。ブラジル代表MFカカら各国代表をそろえる相手との実力差は明白で、自由にボールを回された。しかし浦和は持ち前の守備力でしのぐ。逆に後半20分からは、DF闘莉王が起点となっての速攻などで連続して得点機を形成。両チームがシュートを放つ度にスタジアムが大歓声に包まれる。シュート数はミラン18本に対し12本。攻勢直後の同23分、カカのアシストでFWセードルフに決められたが、その瞬間のミラン選手の大きな喜び方が、少しでも苦しめた証明。温存予定だった34歳FWインザーギの途中投入も、ミランの焦りの表れだった。 「浦和はスペクタクルだ。信じられないほどがんばった。サポーターも情熱的だった」とミランの名将・アンチェロッティ監督。カカは「浦和は戦術的に優れたチーム。相手として大変だった。特に(マークにつかれた)鈴木は“モルト・ブラボ”(とても素晴らしい)」とたたえた。 決してすべてが社交辞令とは聞こえない。逆にミランの攻撃陣と対峙した鈴木が「相手の能力は分かっていた。その中で(67分間は)失点しなかったのは大きい」と口にしたように、浦和の選手自身も、世界レベルの厳しさを知る一方で、勝利がまったく届かぬ夢ではないことを知った。 Jリーグのなかった15年前、南米と欧州の王者がぶつかるトヨタ杯は日本にとって、果てしなく遠い存在だった。しかし観戦した日本協会・川淵キャプテンは「すべてにおいて差はあった。しかしそれを肌身で感じたことが大事」と、日本サッカー界におけるこの一戦の意義を強調。そして元日本代表FW三浦知良(横浜FC)は、しみじみと口にした。 「これが、今の子供たちの当たり前の目標になるのかもしれない」 雲の向こうの世界へ。浦和が、そして日本サッカーが、少しの歩みを進めた。
by yonemiki0406
| 2007-12-14 10:24
| サッカー
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